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スペイン発!孤高の天才監督が放つ狂気の破壊作、同時公開

スガラムルディの魔女パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリといった不世出のアーティストを輩出してきたスペイン―。映画史上においてもルイス・ブニュエル、ペドロ・アルモドバルらの希代の才能を生み出してきたこの国は、世界的に見ても極めてユニークな映画の産地として名高い。

そんな言わずと知れた芸術と情熱の国スペインの映画界で今、偉大なる先達たちの濃厚なラテンの血を受け継ぐかのように、驚異的な傑作&怪作を連打している型破りなフィルムメーカーがいます。その名はアレックス・デ・ラ・イグレシア
「“天才と狂気は紙一重”なる表現が、これほどふさわしい監督にはそうそうお目にかかれるものではない」と言われるほど、彼の評価は絶大です。

これまでのイグレシア作品は、特集上映やDVDリリースを含めるとほとんどが日本に輸入されてきたものの、いずれもひっそりと紹介されたため、一部のファンの熱狂的な支持を獲得するにとどまってきました。
それがなんと、このたびゴヤ賞8部門を独占した『スガラムルディの魔女』(’13)と、奇想天外なブラック・コメディ『刺さった男』(’12)がめでたく日本で同時公開されることが決定したのです!
スガラムルディの魔女 はちゃめちゃなクライム・アクションとして幕を開け、ノンストップで疾走するジェットコースター・エンターテインメント快作『スガラムルディの魔女』は、イグレシア監督最新作。

主人公は職を失い、妻に逃げられてブチ切れ、同じような境遇の仲間をかき集めて白昼堂々と強盗計画を実行した三十男ホセ。とんでもない男です・・・。
そんな彼は、幼いひとり息子とともにタクシーに飛び乗って逃走し、パトカーの追跡を交わしてある村へとたどり着きます。
しかしそこは、食欲旺盛な魔女たちが巣食う村!母子3世代の魔女にまんまと捕らえられた彼らは、人類の命運をも左右する邪悪な儀式の生け贄にされてしまうのです・・・。

伝説の魔女の村に足を踏み入れてしまったダメ男たちの、生きるか死ぬかの脱出サバイバルを描く本作は、イグレシア監督の全作品に共通する異常なテンションの高さに全編が貫かれ、まさに究極のラテン系マジカル・アトラクション・ムービー!
スガラムルディの魔女 スガラムルディの魔女 妖婆やセクシー美女の姿を借りた魔女たちの大暴走が、スラップスティックなギャグとスリル満載で展開!それだけにとどまらず、クライマックスにはまさかの巨大クリーチャーが出現!?おまけに元妻や彼女などの女難に悩む“崖っぷちの男”ホセを翻弄する魔女たちの物語を、男性中心の社会を痛烈に皮肉った女性賛歌として描いている点にも、イグレシア監督の懐の深さがうかがえます。
果たして魔女たちに捕らえられた男たちは無事に女たちから逃れることができるのか、そして魔女たちの秘密と恋の行方は-!?



監督・脚本:アレックス・デ・ラ・イグレシア
出演:ウーゴ・シルバ『ロスト・ボディ』『アイム・ソー・エキサイテッド!』/
マリオ・カサス『灼熱の肌』/カロリーナ・バング『気狂いピエロの決闘』/
テレール・パベス/カルロス・アレセス『アイム・ソー・エキサイテッド!』/
カルメン・マウラ『ボルベール〈帰郷〉』
撮影:キコ・デ・ラ・リカ 衣装:パコ・デルガド 編集:パブロ・ブランコ
2013年/スペイン/スペイン語/カラー/114分/R-15/原題:LAS BRUJASDE ZUGARRAMURDI
©2013 ENRIQUE CEREZO P.C., S.A.– LA FERME PRODUCTIONS–ARTE FRANC ECINEMA

<スペイン・アカデミー賞(ゴヤ賞)>最多8部門受賞!
助演女優賞(テレール・パベス)/編集賞/美術賞衣裳デザイン賞/メイク&ヘアメイク賞特殊効果賞/録音賞/プロダクション賞
<トロント映画祭2013>
MIDNIGHT MADNESS部門出品
<サンセバスチャン国際映画祭2013>
アウト・オブ・コンペティション部門出品
<ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭>
インターナショナル・コンペティション部門 最優秀作品賞受賞
<第34回ファンタスポルト>
長編コンペティション部門 特殊効果賞受賞

刺さった男そして『スガラムルディの魔女』の前作にあたる『刺さった男』、主人公はスペインの経済不況のとばっちりを食った中年男ロベルト。
就職活動に失敗したある日、かつて新婚旅行で訪れた思い出の街に立ち寄った彼は、ローマ劇場の遺跡発掘現場にさまよい込み、高所から転落してしまう。からくも一命は取り留めたものの、鉄筋が後頭部に突き刺さって身動きがとれなくなったロベルトは、大勢のマスコミに取り囲まれ、一躍世界中が注目する時の人に・・・。
刺さった男 刺さった男 失業によって自信を喪失した“どん底の男”ロベルトを襲う悪夢のような運命を描く本作は、頭に鉄筋が刺さるというこのうえなくシンプルかつ仰天必至の設定でぐいぐい見せる衝撃作。
他人の不幸は蜜の味とばかりに取材攻勢をかけるマスメディアの本質を、シニカル&ポップなタッチで暴きつつ、それを逆手にとって“命懸けの金儲け”に打って出る主人公の奮闘を描出。
ブラックな笑いあり、油断禁物のサスペンスあり、ちょっぴりホロリとさせる家族愛ありと、イグレシア監督的なカオスが満喫できる一作に仕上がっています。

監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
脚本:ランディ・フェルドマン 
撮影:キコ・デ・ラ・リカ 
編集:パブロ・ブランコ
出演:ホセ・モタ/サルマ・ハエック/サンティアゴ・セグーラ/カロリーナ・バング
2012年/スペイン、フランス/原題:LA CHISPA DE LA VIDA/スペイン語/カラー/94分/G
©Alfresco Enterprises y Trivision

『スガラムルディの魔女』『刺さった男』は、11月22日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて、全国順次公開です。
果たしてアレックス・デ・ラ・イグレシアとは孤高の天才か、それとも狂気の破壊者か。あなた自身の目で、しかと見極めてほしい-。
公式サイト:http://www.shochiku.co.jp/iglesia/


監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
1965年スペイン、ビルバオ生まれ。
10歳頃より漫画を描き始め、デウスト大学に入学。ショービジネスの世界に進む決心をし、TVの小道具や映画の美術としてキャリアをスタートさせる。
その後、監督をつとめた短編映画『Mirindas asesinas』(’91)が多くの映画祭で注目され、ペドロ・アルモドバルがプロデュースした長編デビュー作『ハイル・ミュタンテ!/電撃XX作戦』(’93)のバッドテイストな作風で世界中を仰天させたイグレシアは、第2作『ビースト 獣の日』(’95)ではスペインのアカデミー賞たるゴヤ賞で6部門を受賞。
さらに『どつかれてアンダルシア(仮)』(’99)では、スペイン国内における『タイタニック』の興収記録を超す大ヒットを飛ばし、名実共に同国を代表する人気監督となった。ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門出品作『気狂いピエロの決闘』(’10)では審査委員長のクエンティン・タランティーノを狂喜させ、監督賞&脚本賞をダブル受賞したことも記憶に新しい。

そんな輝かしい受賞歴を誇りながらも、いわゆる高尚な映画作りには目も向けないイグレシアは、荒唐無稽なコメディ、アクション、ホラー、ミステリーを次々と発表。
社会からはみ出した異形の人間たちの愛、憎悪、欲望、悲哀、暴力といったテーマを、超ハイレベルな演出力に裏打ちされた圧倒的なバイタリティ、自由奔放なイマジネーションで描いてきた。予測不可能なストーリー展開の中に幾度となくサプライズが炸裂し、怒濤の勢いで加速するイグレシア・ワールドには、一度はまったら病みつきになるほどの魔力が宿っている。





 
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