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音で恐怖を奏でる映像作家!ジョン・カーペンター監督おすすめ作品5選

ホラー・SF・アクションなどのB級映画の巨匠であり、
“マスター・オブ・ホラー”の異名を持つジョン・カーペンター監督

今回は、そんなジョン・カーペンター監督の、ホラー映画ファンなら外せない!
かつ、映画音楽ファンも必聴のサウンドが堪能できる!

ホラサス編集部が独断と偏見で選ぶ、
ジョン・カーペンター監督のおすすめ作品5選
(4+1選!?)を、その秀逸な音楽とともにご紹介したいと思います!!


まずは代表作のこちらから。


『ハロウィン』
(1978、監督・脚本・音楽)

ジョン・カーペンターの名を一躍有名にしたホラー映画の決定版

内容としては、不死身の殺人鬼の登場に、逃げ場のない所に自ら追いつめられるヒロイン、そして合間に殺されるちょっとエッチな女友達とその彼氏と、『13日の金曜日』(1980)や『エルム街の悪夢』(1984)など、その後のスプラッタームービーへ続く、ホラー映画の文法を確立した歴史的名作です。

▼予告編


アメリカでは大ヒットを記録し、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)に記録が破られるまで、史上最も収益を上げたインディペンデント映画となりました。

3日で作曲したというメインテーマは、今聴いても強烈です!

▼曲はこちら


4分の5拍子のリフレインは、単調な音なのに、いつまでも頭の中にこだまする不気味な調べとなっています。劇中ではこの単純でシンプルな曲が怖さを倍増させ、こと作品のハマり具合とその効果を考えると、これぞ映画における「名曲」と言ってもよいのではないでしょうか!!

また、本作でヒロインのジェイミー・リー・カーティスが一躍「スクリーム・クイーン(絶叫クイーン)」と賞されましたが、彼女のお母さんのジャネット・リーも『サイコ』(1960)で同じ称号を得ていたので(シャワーシーンも有名ですね)、母娘揃って映画史に名を刻むことになった、記念碑的な作品ともなりましたネ。





『ニューヨーク1997』
(1981、監督・脚本・音楽)

大人気ゲーム『メタルギア』シリーズの主人公・スネークの元ネタとしても有名なのが『ニューヨーク1997』。

ニューヨークのマンハッタンを囚人たちの無法地帯と化した監獄島に設定し、そこに潜入し大統領救出の任を受ける元軍人の犯罪者 スネーク・プリスケンの活躍を描いた、近未来アクションの決定版です!

▼予告編


『ハロウィン』が効果音としても劇中に見事にハマッた「リズム曲」だとすれば、本作の音楽は主人公のアンチ・ヒーロー像と、退廃的な世界観を見事に表現した、まさに映画の「テーマ曲」と言えるでしょう。

▼曲はこちら


映画の後半では、片足を引きずりながら逃げる以外に活躍しない主人公・スネーク・プリスケンですが、何故だかカッコよく見えてしまうのは、やはりこの曲あってこそではないでしょうか!?

ちなみに、大統領を演じたのは、『ハロウィン』のルーミス医師でおなじみのドナルド・プレザンス。本作では「銃こそ正義」のアメリカ合衆国大統領を見事に演じてくれてます。

これまで悪役サイコパスなど個性的な役が多かった彼を、『ハロウィン』では悪と対峙する精神科医に抜擢し(普通逆でしょ?)、『ニューヨーク1997』では大統領に就任させ(まっとうな世界なら落選確実!)世紀末感を演出するなんて、ジョン・カーペンターのキャスティング・センスには脱帽です!

あと、スネークに大統領救出を命じる警察本部長役のリー・ヴァン・クリーフも、西部劇では保安官に撃ち殺される側の役ばっかでしたネ。





『遊星からの物体X』
(1982、監督)

『ロボコップ』(1987)や『トータル・リコール』(1990)で人体破壊の限りを尽くしたグロ特化型の特殊メイクアップアーティスト・ロブ・ボッティンが創造した斬新なクリーチャーの数々と、ジョン・カーペンターのショッキングな演出が世界の度肝を抜き、今ではSFホラーの金字塔とされているのが『遊星からの物体X』。

▼予告編


音楽を担当したのは、『荒野の用心棒』(1964)、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)、『鑑定士と顔のない依頼人』(2013)など、イタリアが世界に誇るマエストロこと、エンニオ・モリコーネ御大!

本作ではいつものモリコーネ節を封印し、寒々しいオープニングから救いのないラストまでを、不気味な轟きを響かせた名スコアを生み出しました。

▼曲はこちら


しかしながら、公開当時は『E.T.』(1982)の大ヒットに対して大撃沈!
友好的な宇宙人を求めた世間のニーズに勝てずに大コケとなって以降、ジョン・カーペンターはしばらく監督業から干される結果となってしまいました。。

ちなみに、本作で有名な血液テストのシーンは今なおパロディ化され、以前に本サイトでも紹介した『アナ雪』のクレイアニメバージョンも必見の完成度ですので、まだ見ていない方は下記からチェック!
【こわい動画】子どもの夢も、頭もぶっ飛ぶ!アナ雪パロディ【閲覧注意】





『ゴースト・オブ・マーズ』
(2001、監督・脚本・音楽)

ジョン・カーペンターの長年の夢だったという、火星を舞台にしたSF・ホラー・アクションムービーですが、火星の怨霊にとりつかれた人間たちが襲い掛かる中、警察と囚人がタッグを組み、死闘を繰り広げるという、火星を舞台にした意味なしの本作。

▼予告編


ジョン・カーペンターのシンセと、メタルロックバンド・アンスラックスのギターが、奇跡のコラボを果たした作品です。

メタリカ、メガデス、スレイヤーと並んで「スラッシュメタル四天王」と称されたアンスラックスのロック感が疾走する音楽は、すでに2000年当時には死に絶えていたへヴィメタ魂を感じさせる、熱いサウンドになっています!!

さらに、バケットヘッドスティーヴ・ヴァイも参加しているとあっては、本編はもちろん(いや、むしろ本編より!?)、サントラの視聴をオススメします!

何故だか人間の首をはねることにこだわるゾンビ軍団のボスがマリリン・マンソンのようなメイクでキメているのも、この音楽を聴けばご納得いただけるかと思います。

▼曲はこちら


ちなみに、禿げ上がる前のジェイソン・ステイサムを確認できます。すでに頭頂部からかなりキテおり、本編では登場人物たちを頭上から見下ろすカットがあるのですが、本作においてある意味一番残酷なシーンになっていますので必見ですよ(?)





『ゴーストハンターズ』
(1986、監督・音楽)

最後に番外編的にもう一本。ジョン・カーペンター作品の中でも珍品中の珍品?
カート・ラッセル演じるトラックの運ちゃんが、中国の妖怪相手に戦いを繰り広げる、
カンフーあり、銃撃戦あり、笑いあり
ツッコミどころも盛り沢山の笑劇作『ゴーストハンターズ』

オープニングからポップなメインテーマが流れ、エンドロールではそのボーカル付きバージョンが響きわたりますが・・・、なんとボーカルを担当しているのはジョン・カーペンターその人です!

自らバンドを結成し、その美声を披露してくれているわけですが、いったい何をやっているんだジョン・カーペンター!!

▼曲はこちら



ブルーレイやDVDには特典映像としてミュージックビデオが収められているので、こちらも本編はもちろんのこと、熱演するジョン・カーペンターの勇姿が必見の映像となっています!

ちなみに、登場人物の半分以上がクリーチャーレベルの魑魅魍魎の数々(失礼!!)で、敵味方ともにキャラの濃さがハンパない本作。

「嵐の3人」と聞いて、「え?5人組じゃないの??」と思った方は正常です。真っ先に本作を思い浮かべた方は、世間的には残念な患者です

ご存知ない方のため、こっそり「嵐の3人」の登場シーンをご紹介しておきますね・・・。







以上、稀代のカルト監督 ジョン・カーペンターのホラー映画ファンなら外せない!かつ、映画音楽ファンも必聴のサウンドが堪能できる!おすすめ作品5選でした!



おまけ
『ゴースト・オブ・マーズ』から10年の沈黙を破り発表した『ザ・ウォード/監禁病棟』(2011、監督)公開時のインタビューでは、日本のファンに向けて元気に「近年はAKB48を聴いていた」ことをカミングアウトしてズッコケさせてくれましたが、また久しく監督作品がなく、ファンにとっては寂しい限りです。

一時は「AKB48のミュージックビデオを撮る準備が出来ている」との衝撃発言もありましたが、あくまでファン向けのリップサービスの様子。しかしながら、彼の作品が観られるのであれば、本当に実現してほしくもありますね。

最後にジョン・カーペンター本人のお言葉をご紹介。
「私は撮りたいものを撮っているだけだ。」


ブレない男はかっこいい!!

 
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