先日、ホラサスDAYSでもご紹介いたしました「グゴッ! グゴゲゲゲェェェェ!」でおなじみ、家が人を喰うホラー『喰らう家』。
去る12月12日(土)、新宿シネマカリテにてめでたく公開初日を迎え、上映終了後には本作のテッド・ゲイガン監督、そして我らがホラー兄貴こと、高橋ヨシキさんのトークショーが行われました。
さて、そんな贅沢すぎるトークショーの模様をおさめたオフィシャルスチールをいただきましたので、トークショーの様子を交えつつご紹介していきましょう。
まずは、あらすじをおさらい

亡くなった息子の霊だと信じたアニーは、友人の霊媒師メイと夫のジェイコブを自宅に招き、降霊を依頼。メイは危険だと判断して断るが、ジェイコブはメイがいない間に一人で降霊を始めてしまう。そして降霊はすぐに成功! しかし、ジェイコブに乗り移ったのはアニーの息子ではない邪悪な何かだった・・・。
ごく普通のホラー映画だと思うなかれ! 絶対に予測不可能だという「怒涛のラスト30分」が、あなたを待っていますよ。(これホントなんです)
監督はスタイリッシュで爽やか

高橋ヨシキさんに続いて、舞台上に現れたテッド・ゲイガン監督。スラッと背が高くスタイリッシュで爽やかなお方でございました。ニコリと笑顔がステキ。
秘密はマッシュポテト!
さっそく高橋ヨシキさんの通訳のもと、トークショーがスタート。本作はほぼCGを使っていないこと、モルモン教が生まれた地で撮影したこと、主演のバーバラ・クランプトンさんとは家族ぐるみの付き合いだということなど、映画に関するあれやこれやをたっぷりとお話ししてくださいました。
中でもとても印象的だったのは、マッシュポテトのお話。本作の中で、焦げた階段を上ろうとしたところ足を取られ、ズブズブと階段に呑みこまれていくシーンがあるのですが、それもCGではないそうなんです。
なんと秘密はブラックマッシュポテト! ポテトの粉を水で溶かして作るマッシュポテトを大量に買い込み、それを黒く染めて階段の形に整え撮影したんだとか・・・。
大きなオマージュを捧げたのは・・・
さらに、本作の撮影地はモルモン教の発祥地。そのせいか、エキストラには宗教がかった方々が多かったそう。ホンモノの牧師さんも、殺される役で出演しちゃっています。
実は、監督が9歳くらいの女の子(悪霊一家の娘役)を探していたところ、牧師さんの娘さんがちょうど9歳だったんだとか。そこで牧師さん、「娘を出してもいいけど、俺も映画に出してくれよ」と出演を交渉。
監督が「殺されない役と殺される役とどっちがいい?」とたずねると「殺される役がいいけど、神様に聞いてみないとわからない」と牧師さん。結果、神様にお許しをいただけたようで、牧師さんは念願の殺される役で出演ができました・・・・・・という、なんともコミカルなやり取りもあったそうですよ。

ちなみに、本作に「バッファロー・ビル」というお店が出てくるのですが、こちらはオマージュではありません。思わず『羊たちの沈黙』を思い浮かべた方もいらっしゃるかと思うのですが、単にお店のオーナーがビルという名前で、バッファロー出身だったという奇跡のような偶然でした(笑)。
家族ぐるみのお付き合い?

まるでノーメイクのような薄化粧の自分を見たバーバラさんは、「こんな顔で映画になんて出れない!」とナーバスになってしまったんだとか。さらに、息子を亡くした母親を、子供をもつ自身の姿と重ね合わせてしまい、撮影中も泣いてばかりいたそう。そんな時は、監督が鬼になり「泣くんじゃない!」と叱ったんですって。

監督は自費で日本へ
驚いたことに、今回の来日は監督の自費! 嬉しいことに監督は、いつでも日本に来たいと思ってくださっているそう。しかし、こういう機会がなければなかなか来ることもできない・・・。
ぜひまた来日し、こうして日本のホラーファンの皆さんと、楽しいひと時を過ごしていただきたいな、と思う次第でございます。ちなみに、監督の次回作はホラー・コメディだそうですよ。
その名も『サタニック・パニック』。あるところに、処女のいけにえを欲する悪魔崇拝者がいた・・・。お腹がすいた(?)悪魔崇拝者は、ピザの宅配を注文。ピザを届けにやってきた女の子が、偶然にも処女だった! というストーリーだそうです。来年の夏から撮影がはじまるとのこと。日本での公開を期待したいですね。

残念ながら、公開は12月18日(金)で終了となってしまいますが、レンタルも開始しておりますので、「新宿まで足を運べない!」そんな方は、ぜひお家でもお楽しみくださいませ。
監督・脚本:テッド・ゲイガン『トレジャーゾンビ 蘇るテンプル騎士団の亡霊(脚本)』
撮影:カリム・ハッセン『アンチヴァイラル』
編集:アーロン・クロージャー『武器人間』
製作:トラヴィス・スティーヴンス『ザ・スリル』
出演:バーバラ・クランプトン『死霊のしたたり』|アンドリュー・センセニグ『51』|リサ・マリー『スリーピー・ホロウ』|ラリー・フェセンデン『肉』
2015年/アメリカ/英語/83分/カラー/シネスコ/ステレオ/BD上映/原題:WE ARE STILL HERE
STORY
一人息子を亡くしたアニーとポールは、新しい生活を始めるため田舎町の一軒家に移り住んだ。ある時、アニーが一人で家にいると、地下室から物音が聞こえ、人の気配が。亡くなった息子の霊だと信じたアニーは、友人の霊媒師メイと夫のジェイコブを自宅に招き、降霊を依頼。メイは危険だと判断して断るが、ジェイコブはメイがいない間に一人で降霊を始めてしまう。そして降霊はすぐに成功。しかし、ジェイコブに乗り移ったのはアニーの息子ではない邪悪な何かだった・・・。
© 2014 ELDER FILMS, LLC ALL RIGHTS RESERVED一人息子を亡くしたアニーとポールは、新しい生活を始めるため田舎町の一軒家に移り住んだ。ある時、アニーが一人で家にいると、地下室から物音が聞こえ、人の気配が。亡くなった息子の霊だと信じたアニーは、友人の霊媒師メイと夫のジェイコブを自宅に招き、降霊を依頼。メイは危険だと判断して断るが、ジェイコブはメイがいない間に一人で降霊を始めてしまう。そして降霊はすぐに成功。しかし、ジェイコブに乗り移ったのはアニーの息子ではない邪悪な何かだった・・・。