「人間の口と肛門をつなげちゃう」映画史上最もヤバいシリーズ『ムカデ人間』。その完結編となる『ムカデ人間3』が、いよいよ8月22日(土)から公開となります。
今月15日(土)には、ムカデオールスター総出演! “『ムカデ人間3』夏祭り”と題したファン垂涎のイベントも開催され、満員御礼の大盛況。すごいぞ、みんなのムカデ愛!
そして、今回ご紹介するのは、そんな愛するべき、愛されるべき『ムカデ人間』シリーズの生みの親、トム・シックス監督のインタビューでございます。あ~んなことや、こ~んなこと、聞いちゃいましたよ。後半は、『ムカデ人間3』の内容に触れておりますので、ぜひ本作をご鑑賞後にお読みくださいませ。
それではさっそく、トム・シックス監督のインタビューをどうぞ!
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——日本の映画監督でお気に入りの方はいますか?
トム・シックス監督(以下/トム監督):塚本晋也はとてもすばらしい監督だ! 特に、『HAZE』や『鉄男』が好きだね。素晴らしい映画だ。あと三池崇史の『オーディション』、『バトル・ロワイヤル』をはじめ、深作欣二も好きだ。
——女性好きと伺いましたが、日本の女優のここが好き、といったところはありますか?
トム監督:『オーディション』に出演している椎名英姫だ。日本の女優は、肝がすわっているところが好きだよ。日本の女優は過激だったり奇妙だったりすることに対して、恐れることなしに挑んでくれる。アメリカの女優は引いてしまうようなこともね。
——ズバリ、新作のご予定は?
トム監督:『The Onania Club』という映画を準備中だよ。ダークでとても邪悪な映画でるあるということははっきりと言える。でも、内容を話してみんなの楽しみを奪ってしまったら残念だからそれ以上は言えない。とてもシンプルなアイディアで、ショッキングかつオリジナルなものだから、みんなが話題にしてくれるはずだと思っている。アメリカで来年のはじめに撮影に入る予定で、来年の間には公開できるかもしれない。
——これから『ムカデ人間3』を観る日本のファンに向けて、メッセージをお願いします。
トム監督:『ムカデ人間』『ムカデ人間2』とは全然違う映画になっているので、全く新しい体験をしてもらえると思う。監督というのはシリーズものに携わると、同じようなものを撮っていく人が多いけど、僕に限って言えば、完全に新しい体験をしてもらうのが自分なりのゴールだったんだ。なので色んな経験を楽しんでほしいね。
——本日は、ありがとうございました。
「あれ? ちょっと短くない?」なんて思っちゃったムカデ好きのみなさま。ここからが本番です。しかしながら、ここからは本編の内容に触れています。『ムカデ人間3』を鑑賞した誰もがきっと疑問に思うであろう、「アレって一体なんだったの?」が解消されちゃう答えが、ここにあるかもしれませんよ・・・・・・・・・
まだ『ムカデ人間3』を観ていないから後で! という方は こちらへどうぞ
※ここからネタバレを含みます
——ディーター・ラーザーさんはフルーツしか食べないとお聞きしたことがあります。
本作『ムカデ人間3』の劇中に出てきた、干したアレの正体はレーズンですか?
トム監督:最初の『ムカデ人間』のときにハイター博士が口にしていたのは、グリーンのスライム状のものだ。彼は自分でグリーンのスライム状のものを持ってきたんだ。彼は、撮影中は役に没頭していたこともあり、僕以外の誰とも話しをせず関わらなかった。僕も、実際にそれはフルーツの何らかのものだったっていうことだけしかわからない。彼はあえてそれを説明しようとしなかったからね。
とにかく言えるのは、奇妙で嫌な感じの物、グリーンのスライム状のものを食べていたっていうことだね。で、それが、彼がハイター博士を演じるうえでとても大事な役作りになったんだ。
今回に関しては、滋養強壮のためにアフリカで女の子のアレを割礼してそれをドライの状態にして食べるという風習が実際にあるらしいから、ビル・ボスがそれによって力を得るというのを物語に使いたいと思って、そういうことをやらせたわけだ。実際はグミだったよ。特殊効果はちょっと加えてあるけどね。
——ディーター・ラーザーさん、ローレンス・R・ハーヴェイさん、北村昭博さんを『ムカデ人間3』でカムバックさせようと思った理由はあるのでしょうか?
トム監督:過去2作はそれぞれ、ディーター・ラーザーと、ローレンス・R・ハーヴェイという本当に素晴らしい役者に恵まれていた。彼らがその映画の成功の大事な部分を担っているんだ。だから、奇妙でオリジナルなものをやりたいという思いを抱きながら『ムカデ人間3』で悪役を演じる俳優を捜していた時に、ディーターとハーヴェイに戻って来てもらいながらも、以前とは違うかたちで起用しよう、過去シリーズとは全く異なる役を与えてみようと思ったのさ。
そして、二人の悪役にコンビを組ませて、まとめて登場させてたら面白いんじゃないかとひらめいた。それが、観客が期待してくれていることなんじゃないかなと思ったし、僕はシリーズものの映画でそういうのを観たことがないからね。
ディーターは、ハイター博士ということに関しては、ものすごく知的で物静かな役だった。それとは全く違った役を演じてほしかったので、禿げていて、声がうるさくて、嫌なヤツって言うのをやってほしいと思った。昭博は、『ムカデ人間』ではその演技を色んな人から素晴らしいと言ってもらえたし評価が高かった。だから、『ムカデ人間3』でもカメオとして出演してほしかったんだ。それで、刑務所の囚人として起用したわけだ。
ひとつ、「このゴミ映画は星も輝かぬ世界を占拠しているのだ」っていう台詞があるけど、私はこの台詞が大好きなんだ。その後すぐに彼は殺されてしまう。小さい役なんだ。
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あ~んなことも、こ~んなことも、渋ることなくお話ししてくださったトム・シックス監督。ただひとつ、「みんなの楽しみを奪ってしまうから、新作については詳しく話せない」なんて、とってもファン想いで男前な一面も見せてくれました。干したアレの正体がグミだったなんて・・・・・・・・・。そして、グリーンのスライム状のものとは一体なんなんだ・・・・・・!
とにもかくにも、『ムカデ人間3』は22日(土)から公開ですよ! ということです。みんな、つながろう!
『ムカデ人間3』作品情報
映画『ムカデ人間3』は、8月22日(土)より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開です。監督・脚本:トム・シックス
製作:イローナ・シックス|トム・シックス
撮影:デヴィッド・メドウズ
出演:ディーター・ラーザー|ローレンス・R・ハーヴェイ|エリック・ロバーツ|北村昭博|ブリー・オルソン|ロバート・ラサード|トミー・タイニー・リスター|トム・シックス
2015年/アメリカ・オランダ合作/英語/103分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:THE HUMAN CENTIPEDE III : Final Sequence
日本語字幕:岩辺いずみ/R18+ 配給・宣伝:トランスフォーマー
刑務所の所長ビル・ボスは問題を抱えていた。彼の刑務所は、暴動数、医療費、離職率が全米一で、見かねた州知事から「このままでは解雇する」と最後通告を受けていたのだ。ビルは囚人たちを手なずけるために、あらゆる方策を試すが、うまくいかない。そんなある日、ビルは忠実なる右腕のドワイトから、アメリカの刑務所システムに革命を起こし、何十億ドルを削減できる夢のようなアイディアを提案される。
それは「ムカデ人間」と呼ばれる映画に基づいたアイディアで、文字通り、囚人たちを“ひざまずかせ”、究極の罰と抑止力を与えるというものだった! つなげてしまえば、食費だってたったの1人分! ビルとドワイトは、500人の囚人をつなげ、ムカデ囚人を作ろうと動き出すのだった…。
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